「もしも、自転車事故にあったら…」慌てないで!やるべきことと大切なポイント
「まさか自分が事故に遭うなんて…」
「ぶつかってしまったけど、どうしたらいいの?」
自転車に乗っていると、誰もが事故に遭う可能性があります。もし、不幸にも自転車事故に巻き込まれてしまったら、頭が真っ白になって、どうすればいいか分からなくなってしまうかもしれません。
でも、大丈夫です!この記事を読めば、事故直後の対応から、その後の手続き、そして知っておくべき大切なポイントまで、あなたが冷静に、そして適切に行動するための全てが分かります。
いざという時のために、ぜひこの記事を読んで、正しい知識を身につけておきましょう。
【事故直後】まずは「身の安全」と「警察への連絡」が最優先!
事故に遭ってしまったら、まずは何よりもご自身の安全確保を最優先に。その後、以下のステップで行動しましょう。
ステップ1:身の安全を確保する
- 落ち着いて、安全な場所へ移動する: 道路の真ん中など危険な場所にいる場合は、安全な場所に移動しましょう。動けない場合は無理をせず、周囲の人に助けを求めましょう。
 - 負傷者の確認: ご自身だけでなく、相手の方や周囲に負傷者がいないか確認します。もし怪我をしている人がいたら、すぐに119番(救急車)を呼びましょう。
 
ステップ2:警察に連絡する(最重要!)
- 「人身事故」「物損事故」に関わらず、必ず110番する: 警察に連絡することは、どんな小さな事故でも義務です。後々、保険を使う際や示談交渉を行う際に、**「交通事故証明書」**が必要になります。これがないと、治療費や損害賠償を受け取るのが非常に難しくなります。
 - 「大したことないから…」は危険! 相手に「警察は呼ばなくていい」と言われても、必ず警察を呼びましょう。その場では何ともなくても、後から痛みが出たり、自転車が壊れていることが判明したりするケースは非常に多いです。
 
ステップ3:事故状況の記録と情報交換
警察が到着するまでの間、可能であれば以下の情報を集めておきましょう。
- 日時・場所: 事故が起こった正確な日時と場所(住所、目印など)。
 - 相手の情報: 氏名、連絡先(電話番号)、住所、車のナンバー(車の場合)、保険会社の情報(会社名、連絡先、証券番号など)。必ずメモするか、スマホで写真を撮っておきましょう。
 - 目撃者: もし目撃者がいれば、氏名と連絡先を聞いておきましょう。後々の証言が役立つことがあります。
 - 事故現場の写真: スマホで構いませんので、以下の写真を複数枚撮っておきましょう。
- 事故直後の状況(自転車、車、道路上の痕跡など)
 - 自転車や相手の車の損傷箇所
 - 周囲の状況(道路標識、信号、一時停止線など)
 
 
【警察到着後】慌てず、正確に状況を伝える
警察官が到着したら、事故状況について聞かれます。
- 正確に伝える: 記憶していることを正確に伝えましょう。あいまいな場合は「かもしれません」「だと思います」と伝え、断定しないように注意しましょう。
 - わからないことは「わからない」と伝える: 無理に憶測で話す必要はありません。
 - 実況見分に立ち会う: 警察官が事故状況を詳しく調べる「実況見分」に立ち会います。ここでの供述が、後の過失割合に影響することもあるので、慎重に。
 - 後日「交通事故証明書」を申請する: 警察で手続きが完了したら、後日「自動車安全運転センター」に「交通事故証明書」を申請しましょう。
 
【医療機関の受診】「異常なし」でも必ず受診を!
- 事故後すぐに病院へ: 痛みがなくても、事故直後に必ず整形外科を受診しましょう。首や腰の痛み、むち打ちなどは、事故から数日経ってから症状が出ることが非常に多いです。
 - 診断書を作成してもらう: 医師に事故で怪我をしたことを伝え、診断書を作成してもらいましょう。診断書がないと、物損事故扱いとなり、治療費の請求などが難しくなる可能性があります。
 - 保険会社への連絡: 病院を受診したら、ご自身の保険会社(自転車保険など)や、相手方の保険会社に連絡し、受診した病院名と診察日を伝えます。
 
【その後の対応】保険会社とのやり取りと示談交渉
ここからは、保険会社や弁護士とのやり取りが中心となります。
1. 保険会社への連絡
- 自身の保険会社に連絡: 自転車保険に加入している場合は、すぐに保険会社に連絡し、事故が起きたことを伝えましょう。
 - 相手方の保険会社からの連絡: 相手が自動車の場合、相手方の保険会社から連絡が来ることがほとんどです。丁寧に対応し、今後の手続きについて説明を受けましょう。
 
2. 治療に専念する
- 自己判断で治療をやめない: 痛みが引いても、医師の指示があるまでは治療を続けましょう。途中で治療をやめると、十分な補償を受けられない場合があります。
 - 通院履歴は記録しておく: いつ、どこで、どんな治療を受けたか、細かく記録しておくと良いでしょう。
 
3. 損害賠償の請求と示談交渉
- 治療費、修理費、慰謝料など: 怪我の治療費、自転車の修理費(または買い替え費用)、休業損害(仕事を休んだ場合の補償)、精神的な苦痛に対する慰謝料などを請求します。
 - 過失割合: 事故の状況に応じて、どちらにどれくらいの責任があるか(過失割合)が決まります。これは賠償額に大きく影響します。
 - 弁護士への相談を検討する: 保険会社との交渉や、過失割合の決定、賠償額の算定は非常に複雑です。もし、相手方の保険会社との交渉がうまくいかない、提示された金額に納得がいかない、過失割合で揉めている、といった場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談することを強くおすすめします。 弁護士に依頼することで、適正な賠償額を得られる可能性が高まります。
 
【知っておきたい】自転車保険の重要性
近年、自転車事故による高額賠償の判例が増え、自転車保険の加入が義務化されている自治体も増えています。
- 加害者になった場合も安心: 万が一、あなたが加害者となって相手に怪我をさせてしまったり、物を壊してしまったりした場合でも、自転車保険の「個人賠償責任保険」があれば、高額な賠償金をカバーできます。
 - 自分自身の怪我も補償: 自身の怪我に対する補償(入院費、通院費など)も付帯している保険もあります。
 
まだ自転車保険に加入していない方は、万が一の時のためにも、ぜひ加入を検討してみてください。
まとめ:「もしも」に備えて、正しい知識と行動を
自転車事故は、いつ誰にでも起こりうるものです。しかし、正しい知識を持って冷静に対応すれば、その後のトラブルを最小限に抑え、適切な補償を受けることができます。
今回の記事を参考に、もしもの時も慌てずに、ご自身と相手の方の安全を最優先に行動してください。そして、何か困ったことがあれば、警察、病院、そして必要であれば弁護士や保険会社といった専門家を頼ることを忘れないでくださいね。
安全な自転車ライフのために、日頃から交通ルールを守り、ヘルメットを着用するなど、事故を未然に防ぐ努力も続けていきましょう。