「いつから?」が一番知りたい!障害年金、支給開始までの道のりをわかりやすく解説
「病気やケガで仕事ができない…」「日常生活にも支障が出ているのに、経済的に不安…」
もし今、あなたがそんな状況に直面しているなら、「障害年金」という国の制度が、生活を支える大きな力になるかもしれません。しかし、「障害年金って、いつからもらえるの?」「申請からどれくらいかかるんだろう?」と、その具体的な流れが分からずに戸惑ってしまう方も少なくないでしょう。
ご安心ください!この記事では、障害年金が「いつから」支給されるのか、そして申請から実際に手元に届くまでの期間、さらにはスムーズに受け取るための大切なポイントまで、分かりやすく丁寧にご説明します。あなたの不安を少しでも解消し、安心して申請に臨めるよう、一緒に確認していきましょう。
そもそも障害年金って?どんな時に受け取れるの?
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出た場合に、国から支給される公的な年金制度です。現役世代の方でも受け取れる可能性があり、その対象は精神疾患からがん、心臓病、手足の障害など、多岐にわたります。
障害年金を受け取るためには、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 初診日要件:障害の原因となった病気やケガで、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金や厚生年金などの公的年金制度に加入していたこと。
- 保険料納付要件:初診日の前日までに、一定期間以上の年金保険料を納めていること。
- 障害状態要件:法律で定められた「障害認定日」において、一定の障害状態にあること。
これらの要件を満たすことで、障害年金の申請が可能になります。
障害年金は「いつから」もらえるの?申請方法で変わる支給開始時期
障害年金がいつから支給されるかは、主に2つの申請方法によって異なります。ご自身の状況に合わせて、どちらの請求方法になるか確認してみましょう。
1. 障害認定日請求(原則的な請求方法)の場合
これが障害年金の最も基本的な請求方法です。
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「障害認定日」っていつ?
障害認定日とは、原則として、障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日(初診日)から1年6ヶ月を経過した日のことです。
ただし、その1年6ヶ月以内に病気やケガが「治った日」(症状が固定し、治療の効果が期待できない状態になった日)がある場合は、その日が障害認定日となります。また、人工透析の開始日や人工関節の挿入日など、特定の傷病には特例が設けられている場合があります。
20歳前に初診日がある場合は、20歳に達した日が障害認定日となるケースもあります。
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いつからもらえる?
障害認定日請求で障害年金が認められた場合、年金は障害認定日の属する月の翌月分から支給が開始されます。
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過去にさかのぼって受け取れる「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」
障害認定日の時点で障害状態に該当していたにもかかわらず、その当時障害年金のことを知らなかったり、申請できなかったりした場合は、最大で過去5年分の年金をさかのぼって受け取れる可能性があります。これを「遡及請求」と言います。
ただし、遡及請求をするためには、障害認定日当時の症状がわかる診断書や書類が必要になります。カルテの保存期間は法律上5年と定められているため、それ以上前のカルテが残っていない場合など、書類の準備が難しいケースもあります。
2. 事後重症請求(じごじゅうしょうせいきゅう)の場合
「障害認定日の時点ではまだ症状が軽くて障害年金の対象にならなかったけれど、その後症状が悪化して、今は障害の状態に該当する」という場合に利用できるのが、事後重症請求です。
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いつからもらえる?
事後重症請求で障害年金が認められた場合、年金は請求書を提出した月の翌月分から支給が開始されます。
事後重症請求には、過去にさかのぼって年金を受け取る「遡及」はありません。そのため、症状が悪化して障害年金の対象になるかもしれないと感じたら、できるだけ早く申請手続きを始めることが大切です。
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申請できる期間の注意点
事後重症請求は、65歳の誕生日の前々日までに請求書を提出する必要があります。この期限を過ぎてしまうと、事後重症請求はできなくなってしまうので注意が必要です。
申請から実際に障害年金が振り込まれるまでの期間は?
「無事に申請できたら、いつ頃振り込まれるんだろう?」と、支給開始までの期間も気になりますよね。
一般的に、年金事務所に書類を提出してから障害年金の審査結果がわかるまでには、障害基礎年金で約2〜3ヶ月、障害厚生年金で約3〜6ヶ月程度かかると言われています。特に精神疾患など、審査に時間を要するケースもあります。
審査が通って「年金証書」が届くと、その後約50日程度で初回振込通知書が届き、指定の口座に年金が振り込まれます。
- 初回振込のイメージ 例えば、障害認定日の翌月分から支給開始が決まった場合、最初の振込では、認定月の翌月から初回振込日までの数ヶ月分がまとめて振り込まれることがあります。 その後は、通常、偶数月の15日(2月、4月、6月、8月、10月、12月)に、前2ヶ月分の年金が振り込まれることになります。
スムーズな申請のために!知っておきたい大切なこと
障害年金の申請は、必要書類が多く、複雑に感じるかもしれません。スムーズに手続きを進めるために、以下の点に気をつけましょう。
- 初診日の証明をしっかり行う:初診日は、障害年金の受給要件を満たしているかを確認するための重要なポイントです。当時の病院のカルテや受診状況等証明書など、確実な書類で証明することが大切です。
- 診断書は正確に記載してもらう:医師に作成してもらう診断書は、障害状態を判断するための最も重要な書類です。日常生活の困難さや、仕事への影響など、ご自身の状況を正確に伝え、適切に記載してもらうように依頼しましょう。
- 病歴・就労状況等申立書を丁寧に作成する:ご自身の病気やケガの経過、日常生活や仕事の状況、困っていることなどを具体的に記載する書類です。診断書だけでは伝わりにくい部分を補足し、審査官に状況を理解してもらうための大切な資料となります。
- 専門家への相談も検討する:もし申請手続きに不安を感じるようであれば、社会保険労務士(社労士)などの専門家に相談することも有効な手段です。書類作成のサポートや、年金事務所とのやり取りを代行してくれるなど、スムーズな申請をサポートしてくれます。
まとめ:障害年金はあなたの「生活の柱」になり得る制度
障害年金は、「いつから」もらえるのか、そして申請から受け取りまでの期間は、あなたの状況や請求方法によって異なります。大切なのは、ご自身の状態や初診日などを正確に把握し、適切な方法で手続きを進めることです。
もし、今あなたが病気やケガで生活に不安を抱えているなら、障害年金はきっと、あなたの生活を支える大きな柱になるでしょう。一人で抱え込まず、まずは情報収集を始め、必要であれば専門家のサポートも検討してみてください。この制度が、あなたの未来を少しでも明るく照らすきっかけになることを願っています。