肝臓の健康を守る!知っておきたい肝機能検査の数値と生活習慣で元気な肝臓を育てよう
「会社の健康診断、肝臓の数値がちょっと気になったな」「最近、なんだか疲れやすいのは肝臓のせい?」そう感じているあなたへ。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、異変があっても自覚症状が出にくいのが特徴です。そのため、気づかないうちに病気が進行してしまうことも…。
でも、心配しないでください! 健康診断の肝機能検査の数値を正しく理解し、日々の生活習慣を見直すことで、大切な肝臓を守り、元気に過ごすことは十分に可能です。
この記事では、肝臓の健康を守るために知っておきたい肝機能検査の主な数値とその意味、そして今日から実践できる肝臓に優しい生活習慣を、分かりやすくご紹介します。自分の肝臓の状態を知り、いたわる第一歩を踏み出しましょう!
「沈黙の臓器」肝臓ってどんな働きをしているの?
肝臓は、私たちの体の中で最も大きく、様々な重要な働きを担っている臓器です。
- 解毒作用: アルコールや薬、体内の老廃物など、有害な物質を分解し、無毒化します。
 - 栄養素の代謝・貯蔵: 食べたものから得た糖質、脂質、タンパク質などを、体に必要な形に変換したり、エネルギーとして貯蔵したりします。
 - 胆汁の生成: 脂肪の消化吸収を助ける胆汁を作ります。
 - 免疫機能: 体に侵入したウイルスや細菌などを攻撃し、免疫の最前線で体を守っています。
 
これほど多くの働きをしている肝臓が不調になると、体全体に様々な影響が出てしまうのは当然ですよね。
健康診断でチェック!知っておきたい肝機能検査の数値
健康診断の結果には、肝臓の状態を示すいくつかの数値が記載されています。主な項目とその意味、基準値を一緒に見ていきましょう。
1. AST(GOT)
- 何を示す?: 主に肝臓や心臓、筋肉などに存在する酵素です。これらの細胞が破壊されると血液中に流れ出し、数値が上昇します。
 - 基準値の目安: 約10~40 IU/L
 - 数値が高いと?: 肝炎(ウイルス性、アルコール性、脂肪肝など)、心筋梗塞、筋肉の病気などが考えられます。
 
2. ALT(GPT)
- 何を示す?: 主に肝臓に存在する酵素です。肝細胞が破壊されると血液中に流れ出し、数値が上昇します。ASTよりも肝臓の病気をより強く示唆すると言われています。
 - 基準値の目安: 約5~45 IU/L
 - 数値が高いと?: 肝炎(特に脂肪肝性肝炎、ウイルス性肝炎)、肝臓の炎症などが考えられます。ALTだけが高い場合は、脂肪肝の可能性も高まります。
 
3. γ-GTP(ガンマGTP)
- 何を示す?: 主に肝臓や胆道に存在する酵素です。アルコールの摂取や薬の服用、胆道の病気などで数値が上昇しやすい特徴があります。
 - 基準値の目安: 約10~70 IU/L
 - 数値が高いと?: アルコール性肝障害、脂肪肝、薬剤性肝障害、胆石、胆道がんなどが考えられます。「飲みすぎているかな?」と感じたら、この数値に注目してみましょう。
 
4. ALP(アルカリフォスファターゼ)
- 何を示す?: 肝臓や骨、腎臓、腸管などに存在する酵素です。肝臓や胆道に異常がある場合に上昇します。
 - 基準値の目安: 約100~340 IU/L
 - 数値が高いと?: 肝炎、胆道疾患(胆石、胆道閉塞など)、骨の病気などが考えられます。
 
5. LDH(乳酸脱水素酵素)
- 何を示す?: 全身の様々な臓器に存在する酵素で、細胞が破壊されると血液中に流れ出します。肝臓だけでなく、心臓、腎臓、血液疾患など、幅広い病気で上昇することがあります。
 - 基準値の目安: 約120~245 IU/L
 - 数値が高いと?: 肝炎、心筋梗塞、白血病、溶血性貧血など、様々な病気の可能性が考えられます。
 
【重要!】
これらの数値はあくまで目安であり、基準値から少し外れたからといってすぐに病気と断定されるわけではありません。しかし、基準値から大きく外れている場合や、複数の数値が異常を示す場合は、早めに医療機関を受診し、詳しい検査を受けるようにしましょう。
肝臓に優しい生活習慣!今日からできること
肝臓の健康を守るためには、日々の生活習慣の見直しが何よりも大切です。特別なことではなく、少しの意識で始められることばかりですよ。
1. アルコールは「ほどほど」に!
肝臓の主な負担はアルコールです。適量を守り、休肝日を設けることが非常に重要です。厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」は、1日平均純アルコールで20g程度(ビール中瓶1本、日本酒1合程度)とされています。女性はこれより少なく見積もるのが良いでしょう。
2. 栄養バランスの取れた食事を心がける
- 脂質の摂りすぎに注意: 揚げ物や肉の脂身などは控えめに。良質な油(魚の油、植物油)を適量摂るようにしましょう。
 - 糖質の摂りすぎにも注意: 糖質も過剰に摂取すると、肝臓で中性脂肪として蓄えられ、脂肪肝の原因になります。菓子パン、清涼飲料水、甘いお菓子などは控えめにしましょう。
 - 野菜やきのこ、海藻をたっぷり: 食物繊維が豊富なこれらの食材は、腸内環境を整え、肝臓の負担を軽減する効果も期待できます。
 - タンパク質を適量摂取: 肝臓の細胞を作る材料となる良質なタンパク質(魚、鶏むね肉、豆腐、納豆など)をバランス良く摂りましょう。
 
3. 適度な運動を習慣に
運動は、肥満や脂肪肝の予防・改善に非常に効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、自宅でできるストレッチや筋トレなど、無理のない範囲で毎日体を動かす習慣をつけましょう。
4. 十分な睡眠をとる
睡眠中に体は修復され、肝臓も休まります。質の良い睡眠を確保することで、肝臓の働きをサポートし、疲労回復にも繋がります。
5. ストレスを上手に解消する
ストレスは自律神経の乱れを引き起こし、肝臓の機能にも悪影響を与えることがあります。趣味に没頭する、リラックスできる時間を作る、適度に体を動かすなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
6. 禁煙・受動喫煙の回避
喫煙は肝臓に直接的な負担をかけるだけでなく、様々な病気のリスクを高めます。
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まとめ:肝臓はあなたの「健康の要」!いたわりが未来を変える
肝臓は、私たちの健康を支える「縁の下の力持ち」のような存在です。自覚症状が出にくいからこそ、定期的な健康診断で数値をチェックし、日々の生活習慣でいたわることが何よりも大切です。
今日ご紹介した肝機能検査の数値と、肝臓に優しい生活習慣を参考に、ぜひあなたの肝臓を大切に守ってください。元気な肝臓は、あなたの毎日をより豊かに、そして輝かしいものにしてくれるでしょう!