世界最高峰の味わい!イベリコ豚の秘密と知って得する生ハムの格付けガイド


スペイン料理を語る上で、パエリアやトルティーヤと並んで絶対に欠かせないのが「生ハム(ハモン)」です。特に「イベリコ豚」の生ハムは、世界中の美食家を虜にする至高の逸品として知られています。

しかし、レストランのメニューやショップの店頭で「ハモン・イベリコ」や「ハモン・セラーノ」といった名称が並んでいるのを見て、「何が違うの?」「どうしてこんなに値段に差があるの?」と疑問に思ったことはありませんか?今回は、知っているだけで一目置かれるイベリコ豚の秘密と、生ハムの複雑な「格付け(ランク)」について分かりやすく解説します。


スペインが誇る2大生ハムの違い

まず知っておきたいのが、スペインの生ハムは大きく分けて2種類あるということです。

1. ハモン・セラーノ(Jamón Serrano)

「山のハム」という意味で、主に白豚を原料とします。

  • 特徴:皮を剥いでから塩漬けにするため、塩気がしっかりしており、マイルドな味わいです。

  • 日常の味:スペインの家庭で最も親しまれている、リーズナブルで栄養価の高い生ハムです。

2. ハモン・イベリコ(Jamón Ibérico)

スペイン固有の希少な黒豚「イベリコ豚」から作られます。

  • 特徴:ナッツのような香ばしい風味と、口の中でとろける脂身が最大の特徴です。

  • 贅沢の象徴:熟成期間が長く、非常に手間暇をかけて作られる高級品です。


イベリコ豚の美味しさの秘密「ドングリ」の魔法

なぜイベリコ豚はこれほどまでに美味しいのでしょうか。その答えは、彼らが育つ環境と「食事」にあります。

最高ランクのイベリコ豚は、「デエサ」と呼ばれる広大なオークの森で放牧されます。秋から冬にかけて、彼らは落ちている**「ドングリ」**をたっぷり食べて育ちます。ドングリに含まれるオレイン酸が豚の体内に蓄積されることで、あの独特の芳醇な香りと、サラリとした質の良い脂身が生まれるのです。


見極め方は「ラベルの色」!生ハムの格付け(ランク)

スペイン政府は、消費者が生ハムの品質を正しく判断できるように、厳格なラベル(タマ)制度を設けています。足の付け根にあるタグの色を見るだけで、その生ハムのランクが一目で分かります。

ラベルの色ランク名称特徴と条件
ブラック(黒)ベジョータ・100%イベリコ最高峰。純血種のイベリコ豚で、ドングリのみで育った放牧豚。
レッド(赤)ベジョータ交配種(血統50%以上)だが、ドングリを食べて放牧で育ったもの。
グリーン(緑)セボ・デ・カンポ放牧はされているが、ドングリだけでなく穀物飼料も食べて育ったもの。
ホワイト(白)セボ牧草地ではなく、厩舎で穀物飼料を食べて育ったイベリコ豚。

**「ベジョータ(Bellota)」**とはスペイン語でドングリを意味します。黒ラベルは全体の数パーセントしか存在しない、まさに究極の生ハムです。


生ハムを最高に美味しく食べる3つのルール

せっかくの高級生ハムも、食べ方を間違えるとその魅力が半減してしまいます。

  1. 常温に戻してから食べる

    冷蔵庫から出してすぐの状態では、脂が固まっていて香りが立ちません。お皿に並べて15分ほど置き、脂が少し透明に溶け出してきた頃が最高の食べ頃です。

  2. 厚さにこだわる

    生ハムは「向こう側が透けて見えるほど薄く」切るのが理想です。薄く切ることで舌の熱で脂が溶け、口いっぱいに風味が広がります。

  3. 手でつまんで食べる

    本場スペインでは、フォークを使わずに指でつまんで食べるのが一般的です。指の熱で脂を少し溶かしながら口に運ぶのが、最も贅沢な味わい方とされています。


まとめ:生ハムを知ればスペイン料理がもっと楽しくなる

生ハムの格付けを知ることは、単なる知識の習得ではなく、スペインの歴史や風土、そして生産者たちの情熱に触れることでもあります。次にバルやショップを訪れた際は、ぜひ「ラベルの色」をチェックしてみてください。

最高級の「ベジョータ」を一口食べれば、広大なオークの森の風景が目に浮かぶような、深い感動を味わえるはずです。