韓国のお正月「ソルラル」を徹底解説!伝統的な過ごし方と旅行者が知っておきたいマナー


韓国の冬の一大行事といえば、旧正月(ソルラル)です。韓国の人々にとって、この時期は単なる連休ではなく、家族が集まり、先祖を敬い、新しい年の福を願う一年で最も大切な節目の一つです。

「韓国の旧正月って、日本のお正月と何が違うの?」「旅行で行っても大丈夫?」そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、韓国の伝統的なお正月の過ごし方から、欠かせない伝統料理、そして現代の韓国事情までを詳しくご紹介します。韓国文化への理解を深めることで、より豊かな知識を手に入れましょう。


1. 韓国の旧正月「ソルラル」とは?

韓国では新暦の1月1日(元日)も祝日ですが、より盛大に祝われるのは旧暦に基づいた「ソルラル」です。

毎年日付が変わる移動祝日

ソルラルは旧暦の1月1日を指すため、私たちが普段使っているカレンダー(新暦)では毎年日付が変わります。一般的には1月下旬から2月中旬の間になります。

帰省ラッシュと家族の集まり

この時期、韓国では「民族大移動」と呼ばれるほどの激しい帰省ラッシュが起こります。ソウルなどの都市部から地方の実家へと人々が一斉に移動し、家族全員が集まって新年を祝うのが一般的です。


2. ソルラルの伝統行事:茶礼(チャレ)と歳拝(セベ)

韓国のお正月には、古くから伝わる大切な儀式がいくつかあります。

先祖に感謝を捧げる「茶礼(チャレ)」

ソルラルの朝、最初に行われるのが「茶礼(チャレ)」という祭祀です。

各家庭では、精進して作った数々の料理や果物を祭壇に供え、先祖の霊を迎え入れます。料理の並べ方には厳しい決まりがあり、魚の向きや果物の位置まで細かく指定されているのが特徴です。

丁寧な新年の挨拶「歳拝(セベ)」

茶礼が終わると、家族の間で新年の挨拶が行われます。これを「歳拝(セベ)」と呼びます。

子供や若い世代が、両親や祖父母といった目上の人に対して、床に膝をついて深くお辞儀をします。この際、「新年の福をたくさん受け取ってください(セヘ ボッ マニ パドゥセヨ)」という言葉を添えます。

お年玉「歳拝金(セベットン)」の楽しみ

歳拝を終えると、目上の人から子供たちへ「歳拝金(セベットン)」、つまりお年玉が渡されます。日本のポチ袋のような文化もありますが、韓国ではその場でお祝いの言葉(徳談:トッタム)と共に手渡される光景がよく見られます。


3. これを食べなきゃ始まらない!正月の定番料理

韓国のお正月には欠かせない、象徴的な料理をご紹介します。

餅スープ「トックク」

日本でお雑煮を食べるように、韓国では「トックク」を食べます。

うるち米で作られた白い棒状の餅(カレトッ)を薄くスライスし、牛骨や鶏肉の出汁で煮込んだスープです。

  • 白い餅の形: 長い棒状の餅には「長寿」の願いが込められています。

  • 小銭のような形: スライスした形が昔の硬貨に似ていることから「財運」を願う意味もあります。

韓国では「トッククを一杯食べると一歳年をとる」と言われており、子供たちは早く大人になりたくておかわりをすることもあります。

色鮮やかな「ジョン(煎)」

肉、魚、野菜などに小麦粉と卵液をつけて油で焼いた「ジョン」も、お正月の食卓を彩る代表格です。手間暇かけて作られるこれらの料理は、家族の絆を象徴する味でもあります。


4. 伝統的な遊び:ユンノリで盛り上がる

家族が集まった後の楽しみといえば、伝統的なボードゲーム「ユンノリ」です。

4本の木の棒(ユッ)を投げ、出た目に応じて駒を進める遊びですが、これが意外と白熱します。老若男女問わずルールが分かりやすいため、親戚一同でチームに分かれて対戦するのがソルラルの定番の風景です。


5. 旅行者が注意すべき「ソルラル」のリアルな状況

もしこの時期に韓国旅行を計画しているなら、いくつか知っておくべきポイントがあります。

お店や観光地の営業状況

近年では年中無休の店舗も増えていますが、個人経営の飲食店や伝統市場、一部のビルなどは、ソルラル当日とその前後(計3日間程度)は休業することが多いです。

一方で、古宮(景福宮など)や大型ショッピングモール、映画館、テーマパークなどは営業していることが多く、お正月ならではの特別イベントが開催されることもあります。

交通機関の混雑

前述の通り、帰省ラッシュとUターンラッシュが凄まじいため、高速バスや鉄道(KTXなど)のチケットを入手するのは至難の業です。ソウル市内の道路は比較的空くこともありますが、地方へ向かう高速道路は大渋滞となります。移動計画は余裕を持って立てるのが賢明です。


6. 現代の韓国:変わりゆくお正月のスタイル

最近では、伝統を大切にしつつも、過ごし方が多様化しています。

祭祀の簡素化

準備に多大な労力を要する「茶礼」を簡素化したり、ケータリングサービスを利用したりする家庭が増えています。また、家族で集まる代わりに海外旅行や国内旅行を楽しむ「ホカンス(ホテル+バカンス)」派も急増しています。

韓服(ハンボク)を着る機会

かつては家族全員が伝統衣装の「韓服(ハンボク)」を着用していましたが、現在では子供だけが着たり、特別な写真撮影の時だけ着用したりするのが一般的になっています。それでも、お正月らしさを演出する美しい韓服姿は、今もなお韓国の文化的な誇りです。


7. まとめ:韓国の心を体験する

韓国のお正月「ソルラル」は、家族の絆を確認し、先祖に感謝し、心機一転して新しい一年を迎えるための大切な時間です。

  • トッククを食べて健康を願う

  • 歳拝で感謝の気持ちを伝える

  • 家族で伝統の遊びに興じる

こうした習慣には、一つ一つに深い意味と願いが込められています。

もしこの時期に韓国と関わることがあれば、ぜひ「セヘ ボッ マニ パドゥセヨ」と挨拶してみてください。きっと、韓国の人々の温かい文化に触れることができるはずです。

韓国の伝統文化を知ることは、現代の韓国社会をより深く理解する第一歩になります。次のお正月には、韓国の伝統的な知恵や家族愛を参考に、あなたなりの新しい年の迎え方を考えてみてはいかがでしょうか。